2013年2月19日火曜日

☆14年も付き合えば…


私が愛用している鞄は、
高校に進学する頃に購入したもので、
かれこれ14年の付き合いである。

高校入学時、
当時の政権が“地域振興券”(商品券のようなもの)を国民に配布した。
政策としてどうであるかはともかくとして、
10代半ばの私にとっては“棚からぼた餅”のように感じられ、
わくわくしたものだった。

私はこれを使って鞄を新調した。
鞄屋に無数にレイアウトされたものの中で、
私の目に飛び込んできた一つの鞄があった。
黒い高密度ナイロン素材に、
シルバーの飾りをあしらった、
シンプルで個性のあるデザインが気に入った。
高校生の身分には少し高級品だったかもしれないが、
受験を終えた自分へ褒美を与えるような気持ちで購入した。

大学受験へ向けた厳しい受験勉強、
雨の日や雪の日の通学、
ときにはプライベートでも
よくよく考えてみると、
実に多くの時間をこの鞄と過ごしてきたことに気づく。

それから10年以上が経過した昨年、
突然ファスナーが壊れた。
もう寿命かとも思われたが、
捨てるのが惜しい気持ちが勝り、
修理に出すことにした。

戻ってきた鞄をしげしげと眺めていると、
ファスナー以外にはあまり目立った傷などは無く、
懐かしさだけでなく、
どこか新鮮な感覚を覚えるのだった。

大学時代や就職活動のときにも鞄を購入したが、
結局、この鞄が一番使いやすく、
毎日の出勤にも、出張のときにも“愛用品”となっている。

現在は、いろいろなモノが安く売られ、簡単に買い換えできる世の中だが、
時流に翻弄されず、イイものを選んで長くつかい、愛着を持つのもまたよしである。


(青年会中央部 柴田)

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