2013年3月29日金曜日

☆一杯の珈琲に想いを込めて


その昔、私は東京のオフィス街にあるカフェで
アルバイトをしていた時期があります。

朝7:00のオープンからお昼過ぎまでの
時間帯で週3~5日ほど働いていました。

新人の頃はレジを任されることが多く、
カフェの花形であるバリスタを
任されるようになったのは、
1ヶ月ほど経ってからでした。

エスプレッソショットの落とし方や
蒸気でミルクをかき回しながら温めるコツなど。
バリスタとして必要な技術を
先輩からひとつずつ教えてもらい、
自分でも何度も練習をしました。

お客さんの注文に応じて、
一連の作業を臨機応変に
行えるようになるまでには、
少々苦労しました。

それでも経験を積んで体が覚えてくると、
周りを見る余裕が出てきました。

お店の前を通る人や車。

洋楽の有線放送がかかる店内で、
思い思いに自分の時間を過ごすお客さんの姿。

朝のすがすがしい時間帯は、
不思議と目に映るものが輝いて見えました。

そして次第に毎朝お店に足を運んで下さる
常連さんの顔も覚えてきて、
時に言葉を交わすこともありました。

「今朝はよく晴れましたね」

「いつも本を読まれていますね。
 どんな本ですか?」

お客さんと、このようなやり取りを
続けているうちに、いつしか自然と
こんな想いで、ドリンクを作るように
なっていました。

「美味しい一杯を飲んで
 朝の素敵な時間を過ごして頂きたい」

今でも、カフェで読書をしている時などに、
蒸気でミルクを温めるあの独特の音を耳にすると、
当時の記憶が鮮明によみがえってきます。


※バリスタ・・・カフェ等のカウンターに立ち、
        お客から注文を受けてエスプレッソや
        コーヒーを淹れる人。

(青年会中央部 金内)

1 件のコメント:

  1. 僕の『一杯の珈琲の想い出』は、父のこだわりです。

    僕の父が生前こだわっていた珈琲の入れ方は、ひいた豆(粉)をフィルターに入れる前に、沸騰した湯でフィルターを濡らして温めておくことです。

    また、フィルターに入れた粉に注ぐ湯の注ぎ方にも、こだわっていました。笑

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