2012年10月21日日曜日
☆彼は突然やってくる
気を抜いていると、彼はすぐに去ってしまう。
そして、いつ私のもとへ来るかもわからない。
彼がいつ来てもいいように、日々、自分の心を整えなくてはならない。
ある日、電車に乗っているときでした。
座席が一つ空いていたので、座っていました。
私は本に夢中になっていて、つぎの駅で人が乗ってきても、
そちらに目を向けることはありませんでした。
ふと気が付くと、いつの間にか、私の目の前におばあちゃんが立っていました。
花柄の洋服を着ていて、髪の毛は白髪まじりの、70代後半くらいのおばあちゃんでした。
そう、“彼”は突然現れたのです。
“チャンス”という名の彼が。
『席をゆずらないと!』
とっさにそう思ったのですが、なぜか体が動きませんでした。
すると、私の隣に座っていた若い妊婦さんが、そのおばあちゃんに席を譲ったのです。
おばあちゃんは、とても嬉しそうでした。
私は、すごく後悔しました。
なぜ、素早く行動に移すことが出来なかったのだろう。
タイミングを逃した、というだけの理由で、譲ることができなかったのです。
それから私は、“常に自分が、誰かのお役に立てるような人間になりたい”
という思いで毎日を過ごすようになりました。
そのような思いで過ごしていたある日、また突然“彼”が現れたのです。
それは、通勤時の駅の階段でのことでした。
何も考えず、ぼーっとしながら、階段を上っていました。
ふと見ると、私の横では、お母さんと子ども(推定3歳)が手をつないで、階段をあがっているところでした。
お母さんのもう片方の手は、とても重そうなキャリーバッグを持っていました。
『荷物、上まで持ちましょうか?』
こんな言葉を、何も考えずにとっさにしゃべっている自分がいました。
『いいえ、大丈夫です(*^^*)』
お母さんは、笑顔でこう言いました。
断られたにも関わらず、私はとてもすっきりした気持ちになっていました。
チャンスは、いつやってくるかわからない。
いつでも“彼”に対応できるよう、心を常に愛で満たしていたいと思ったのでした。
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